ANDPADの技術広報戦略とその作り方を紹介します!

ANDPADの技術広報戦略とその作り方を紹介します!|ANDPAD Advent Calendar 2022

この記事は ANDPAD Advent Calendar 2022 の 14日目の記事であり、技術広報 Advent Calendar 2022の14日目の記事でもあります。前日の下司さんの記事の真似をしました!

前置き

どうもこんにちは!アンドパッド技術広報エンジニアの鳩です。
私は昨年の10月頃からアンドパッド開発本部の技術広報(専任)として活動しています。それまではプロダクトの開発をするエンジニアをしていました。

プロダクトを担当していた時代に書いたブログもあります。(証拠) tech.andpad.co.jp

最近、技術広報というロールで活動している方がすごく増えてきたなと思うのですが、皆さん「技術広報って何してるの?」と思いませんか?

これだけ認知されてくると、「技術広報というポジションを置いている企業があるようなので、弊社でも技術広報を置きたい!」と相談されるようなケースとか「やっぱり技術広報がいたほうがいいのでは?」という議論が社内で起きたりすることもあるんじゃないかと思っています。

相談されたエンジニアや、採用担当者はふとこう思うんじゃないでしょうか。
「置いたほうがいい気がするけど、実際には何をしているんだろう?他社事例が知りたい!」

そこで、本記事では、アンドパッドの技術広報が何をやっているかと、私が技術広報戦略を考えるのに使っている分析フレームワークを紹介したいと思います。

前提

技術広報には大きく分けると2パターンあり、組織の取り組みや組織のエンジニアを広報するパターンAと、自身の活動を広報(ブランディング)するパターンBがあります。

パターンAの技術広報は組織の取り組みを紹介する企画を考えたり、エンジニアイベントの企画や運営をやったりと、裏方を担当します。
パターンAの人は、EMなどマネージャー職を兼任していたり、人事やマーケ出身の方だったりと技術広報になった背景はさまざまです。

パターンBの方は、名が通っているエンジニアの方が多く、自分でイベント登壇したり、インタビューを受けたり、ブログや書籍を執筆したりします。そうすることで、所属組織の技術ブランディングを担います。パターンBの方がパターンAを兼任する場合もあります。

今回私がお話するのはパターンAの技術広報のことであり、パターンBの話ではありませんので、誤解ないようにお願いします。

アンドパッドの技術広報がやっていること

求人票に記載してある業務内容の箇所を以下に抜粋します。

  • 技術ブランディング戦略の企画立案
  • 技術コミュニティ、採用候補者、社内・社外エンジニア、社内・社外広報、社内・社外人事、メディアとの関係構築
  • エンジニア向けイベント企画・運営
  • エンジニア向け採用インタビュー企画・編集・ディレクション
  • エンジニア向けコンテンツの企画・実行
  • 社内広報の企画立案・実行
  • Podcastの企画・ディレクション
  • テックブログ運営
  • 技術スポンサーに関する企画・マネジメント・運営
  • SNS運用、社内・社外へのコンテンツリリース告知
  • マーケティング活動の効果計測・分析

「うわ、いっぱいある!こんなこと1人でできない!」と思われるかもしれないのですが、安心してほしいです。
業務内容はやる範囲を記載してあるというだけで、私も全部を同時進行でやりはじめたわけではありません。
(全部同時進行でやってもらうわけじゃないので、安心して応募してほしいです。宣伝)

まずはエンジニアのインタビューの企画から始めて、Podcast、イベント企画、テックブログ運営、SNS運用、スポンサー運営などやることを増やしていきました。

インタビューならインタビューで集中して取り組めばいいじゃないかと思いませんか?なぜこんなにやる必要があるのか?という疑問を持つ方もいるんじゃないでしょうか。

それはアンドパッドで私が実行している技術広報戦略と関係しているので、後ほど紹介しようと思います。(最後まで読んでほしいから思わせぶって最後に紹介するのも戦略です!w)

アンドパッドの技術広報に必要なスキル

なんと必要な経験とスキルは以下の4つのみとなっております。
すごい!少ない!応募するなら今!

  • エンジニアリングへの高い興味関心と基礎的な知識
  • 企画の立案・実行・効果分析した経験
  • 情報発信のディレクションを行える高いライティング能力
  • 複数の関係者との関係構築をしながらプロジェクトを進めた経験

エンジニアであれば、「エンジニアリングへの高い興味関心と基礎的な知識」「複数の関係者との関係構築をしながらプロジェクトを進めた経験」このへんはクリアしてる人も多いかなと思うので、あとは文章が得意で企画や分析が得意だったら、アンドパッドの技術広報はできます!

エンジニアでない方は、特に人事経験やディレクター経験、広報経験のある方だと「情報発信のディレクションを行える高いライティング能力」「複数の関係者との関係構築をしながらプロジェクトを進めた経験」このへんはクリアしてるかと思うので、あとはエンジニアや技術に対しての知識や興味があって企画や分析が得意だったら、アンドパッドの技術広報はできます!

広報施策は、誰かから降ってくるわけではなく、自分で考えて実行したり、効果などを分析したりする必要があるため、何かしらの企画を発案して実行してみたり、分析をしてみた経験が少しはないと業務を進められないと思っています。

「広報企画は降ってくるので実行面だけを担当しています」というスタイルの技術広報もいるかもしれないですが、私の知る限りで言うと「技術広報」と名乗っている場合、企画から広報の担当者が考えていることが多いです。(前述したパターンAの場合の話です)

これは最も大事なスキルなので必須に入れましたが「やってみたことはないが、圧倒的にできる自信がある!その根拠はこれだ!」と言える人なら、経験が少しもなくてもできる可能性はあると思ってます。
やればできる!やりきるハートが大事だ!そんなにハートが強いならやってみたらいいじゃない!!という考えです。

アンドパッドの技術広報戦略の考え方

さて、いよいよ記事の本題です。お待たせいたしました!

戦略の前に、技術広報の目的を考えてみましょう。

アンドパッドの技術広報の目的はこちらです

  • アンドパッドの開発組織のファンを増やす
  • アンドパッドのエンジニアは技術とプロダクトにひたむきに向き合っていることを広く知ってもらう

上記の目的なので、広報する相手は、けして採用候補者だけではないと思っています。 しかし、どの企業でもそうだと思いますが、技術広報が担っているミッションで一番大きなウェイトを占めているのは、採用候補者を増やすことかと思います。

なので、今回は採用広報の側面で私が利用している戦略を練るための分析フレームワークを紹介したいと思います。

キャンディデートジャーニーマップというのは聞いたことあるでしょうか?「ユーザージャーニーマップなら聞いたことある!」という人も多いかと思います。 ユーザージャーニーマップはユーザーが体験するプロセスを視覚化し、分析できるようにするフレームワークです。 ユーザーがサービスを利用するまでの思考や行動、感情を書き込むことで、ユーザーの立場になって、マーケティング施策を考えたり、プロダクトデザインができるようになります。

キャンディデートジャーニーマップは、ユーザーではなく採用候補者のジャーニーを書き込んでいくフレームワークです。
私は、こちらを利用して技術広報戦略を練っています。

採用候補者にはステージとステップとタッチポイントがあります。

ステージは6つ

  • 認知
  • 検討
  • 興味
  • 応募
  • 選考
  • 採用

このステージごとに候補者が行う行動をステップとして記載します。 例えば「認知」の箇所に以下を書き込んでみます。

  • Twitterでインタビュー記事を知る
  • インタビューを読む
  • 採用ポジションのページへ行く

次に候補者は何を考え、どんな感情を抱いて、その次の行動をしているのか想像して書き込みます。
そうすると、自分たちが到達させたいゴールまでに、何が重要で何を候補者へメッセージとして届けなければいけないかが見えてきます。

その際に、候補者がどんなメディアでどんなコンテンツと接点を持つのかをタッチポイントとして書き込んでいきます。

このように、キャンディデートジャーニーマップを作り込んでいくわけですが、作り込んでいくと候補者は1つの広報コンテンツを参照して応募しているわけではないことに気が付きます。

ほとんど常識的に想像すれば当たり前のことなのですが、 なぜか企画のことを考え出すと、人類はその企画だけで応募させられるような気になってしまう、というより、そうじゃないと企画は失敗のような気になってしまいます。

重要なのは、候補者のジャーニーの全てのステージの全てのステップに、適切な情報を与えてくれるコンテンツや心を躍動させる機会があることです。
バトンがなければ、次のアクションにつながらず、断絶してしまい、また戻ってきてくれるまでに時間がかかります。

適切なステップに効果的なタッチポイントがあることを意識して施策を練る必要があります。

そこで、話は「なぜこんなにやる必要があるのか?」というところへ戻るのですが、「さまざまなステップでのタッチポイントを生み出すために、いろいろな施策を実行している」というのが回答です。

特に「認知」は、認知されないと旅も始まりませんので、非常に重要なステージとして捉えています。

キャンディデートジャーニーマップについての詳細は、英語ですが「TalentLyft」さんの記事を参照ください。 相当詳しく書いてあります。

www.talentlyft.com

TalentLyftさんはクロアチアの企業のようですが、この他にも採用広報について参考となる記事をいくつも公開していますので、参考にしてみてください。

広報企画の紹介コーナー

私のチームが手掛けた広報企画を紹介します!

TECH FIRST(インタビュー記事)

エンジニアをはじめ、デザイナーやPdMなど開発職メンバーのインタビュー記事の連載企画。

www.wantedly.com

私は企画・ディレクション(ライティング、写真、アイキャッチ)・編集を担当しています。

過去、最も注目を集めた記事はこちら。
SNSシェア数 320(Facebook、Twitter、はてなブックマーク) www.wantedly.com

ANDPAD TECH TALK(Podcast)

アンドパッド開発本部のテック系Podcast。

open.spotify.com

私は企画・PM・台本・テックブログの執筆などを担当しています。

過去、最も視聴された配信は最新話の第11回です。

ANDPAD TECH TALK 第11回 - 開発チームの生産性向上に取り組むスペシャリスト対談!後編 可視化ツールを導入してみて分かったこと、そして今後の展望

ANDPAD Tech Live

技術イベントのYouTubeライブ。

www.youtube.com

もともと私が入社する前から人事の方たちが取り組んでいた技術イベントのライブ配信企画をアップデートし、最近は企業コラボイベント企画を多く手掛けています。
私は企画・ブッキング・メンバーアサイン・PM・台本・配信ディレクションなどを担当しています。

過去、最も集客数が多かったイベントはこちら。
connpass申し込み人数 744人

Frontend Talk 〜デザインシステム構築のリアルな裏側〜【hey|note|ANDPAD】

www.youtube.com

ANDPAD Tech Blog

企業テックブログ。今あなたが読んでいるブログがANDPAD Tech Blogです!

こちらも、もともと私が入社する前から編集チームがあり運営されていたのですが、それを引き継いで運営を担当しています。

テックブログの運用に関しては、先日インタビュー取材を受けて記事が公開されているので、詳細はそちらをご覧ください!

job-draft.jp

テックカンファレンスのスポンサー運営

RubyKaigi 2022

スポンサー運営のPMと、「ANDPAD二進数足し算RTA」というブース企画とノベルティ企画を担当しました。

tech.andpad.co.jp

iOSDC Japan 2022

スポンサー運営のPMと、「ANDPADおみくじ」というブース企画とノベルティ企画、パンフレットディレクションを担当しました。

tech.andpad.co.jp

DroidKaigi 2022

スポンサー運営のPMをアプリチームのEMの栗山さんがやってくれたので、そのサポート全般をやりました。

tech.andpad.co.jp

「企画を担当」と書いてありますが、企画はエンジニアをはじめ、デザイナーや人事など多くの人の意見を取り入れて形にしていくスタイルでやっていますので、発案はエンジニアだったりデザイナーだったり人事だったりするものもあり、一人で全部考えているわけではありません。
それ以外の運営の部分でも、多くの人が関わってくれていて、一人で全部やっているわけではもちろんありません。

一人で考える企画より、多くの人の意見が反映された企画のほうが、より多くの人の共感を生み出すだろうとの考えから、そうするようにしています。

自慢コーナー

こうした広報活動が評価され、2022年1QにMVPを受賞しました。

関係者が非常に多いため、受賞スピーチで関係した感謝したい人を全部挙げていたら、K-POPのアーティストが歌番組で今週の1位を獲った時のアレみたいになりましたw(分かる人いない例えwww)

おわりに

長い時間お付き合いいただきありがとうございました!
真面目な話ばっかで疲れちゃいましたよね。私は疲れた。
みんなこんなにちゃんとブログ書いてるとか偉い、尊すぎる。

最後に最も重要なことを言いますが、アンドパッドでは技術広報もエンジニアも募集しています。 興味を持った方は、お気軽にお問い合わせください。

▼ カジュアルに話しが聞きたいエンジニアはこちらから engineer.andpad.co.jp

▼ 開発者体験(Developer eXperience)向上のための社内制度が知りたい人はこちら github.com

明日は、ANDPADボードというプロダクトの同じチームでバディを組んでいたこともあるエンジニアのsoe-j が、新卒のスキルアップのために考えた研修内容を紹介してくれる予定です!お楽しみに!