アンドパッドは RubyKaigi 2025 を楽しんできました !

こんにちは、 アンドパッドのRubyistのKanechikaAyumu です。

今回、RubyKaigi に初参加、そして愛媛にも初上陸しました!スピーカーの皆さんや参加者の Rubyist たちが持つ熱量・情熱に圧倒されつつも、たくさんの刺激を受けた、あっという間の数日間でした。 早くも来年の函館での開催が楽しみです!

そんな、アンドパッドが心待ちにしていた RubyKaigi 2025 に参加してきたので、参加したアンドパッドの Rubyist とともに印象的だったトークをふりかえり、最後に思い出を語ります!

このトークがよかった !

3 日間溢れんばかりのトークを堪能できました。 その中でも刺激を受けたトーク、印象に残ったことを、それぞれ書きました。

ZJIT: Building a Next Generation Ruby JIT

毎年、 Ruby のパフォーマンス改善には本当にわくわくさせられています。 なぜかパフォーマンス改善はとてもカッコよく感じています。

しっかり理解できているわけではないものの、ここ数年は YouTube で RubyKaigi の YJIT 関連の発表を眺めていました。 今年は遂に、生で観ることができて、なんだか感動しました…!

プレゼンの前半では、多くの企業が YJIT によってパフォーマンス向上を実現しているというブログなどが紹介され、「まさに最新機能だな」という印象を持ちました。 そんな印象を持っていた中での、今回の ZJIT という新たな挑戦には驚かされました。 そして、わずか 2.5 ヶ月でプロトタイプが開発されたというスピード感にも驚きました。 CRubyの次の 20 年を見据えて設計されているとのことで、強い意志と力強さも感じました。

自分はあまり詳しくないので細かいところまでは理解できていませんが、ある程度実績のあるアルゴリズム?考え方?が採用されているとのことなので、後日 YouTube などで動画が公開されたら、改めてキャッチアップしてみたいと思っています。

そして、その後の Matz さんの Keynote で、 Ruby 4.0 に実験的に導入される予定とのこと。ますます楽しみです。

(金近歩)

Matz Keynote

Matz さんの Keynote は、帰りの飛行機の時間を早めに取ってしまった関係で、終わったらすぐにダッシュで移動しないといけなくて、ちょっとソワソワしながら聴いていました。

お話のテーマは、 AI と Ruby についてでした。

最近は静的型付き言語が人気で、 AI の世界でも型がある言語の方が得意そうな印象がある。 でも、 AI がもっと当たり前に使われる未来では、シンプルで短く書けるコードの方が扱いやすく、価値が出てくるはず。教科書に出てくる数式には型がないのと同じで、それを書いている人が文脈を理解しているからこそ成り立つ。 AI も同じように文脈を理解できるようになれば、 Ruby のような柔軟で表現力のある言語は、きっと再評価されていく—— そんな未来が語られていました。

そして、 Ruby がこれからも残っていくには、コミッタの方々の努力と、それを支えるコミュニティの存在が不可欠なんだなと、あらためて感じました。

(寺田)

Speeding up Class#new

開発中で最も多く使用されていると思われる Class#new の速度改善に関するセッションに参加しました。

キーワード引数を受け取った際の内部挙動や、インラインキャッシュを活用したメソッド呼び出しの高速化戦略、さらに C 言語を介さずに Ruby のみで実装して処理速度を向上させた方法についても解説いただきました。 技術的に高度な内容でしたが、非常にわかりやすく説明されており、終始引き込まれるように聴講していました。

セッション前に抱いていた「処理速度に優位性のある C 言語での実装よりも Ruby での実装の方が速くなるなんてことがあるのか?」という疑問は聞き終えたころには見事に覆され、ただただ感服してしまいました。

また、セッションの序盤で話されていた「実装を確認する前に実装を想像する」という考え方にも大いに共感しました。このアプローチは、私自身も今後の開発において意識していきたいと感じました。

技術的なディスカッションに加え、開発者としての心構えやアプローチに関する貴重な学びも得られた、非常に印象深いセッションでした。

(小笠原)

文字エンコーディングやシンタックスなど言語としての Ruby

Ruby の言語の仕組みと内部について深く知ることで、 Ruby 言語そのものに対する信頼と期待がより強まった感じがします。

  • Ruby Taught Me About Encoding Under the Hood
    • 文字エンコーディングについては、自分も大昔に Shift-In/Out のオレオレ処理を Java で書いたことがあり、懐かしく思えた反面、 Unicode の奥深さと複雑さに真っ向から立ち向かい、 Ruby コミッタになられた ima1zumi さんの実行力とストーリーに初っ端から揺さぶられました。 RubyKaigi 2025 に来てよかったと改めて感じました。
  • Dissecting and Reconstructing Ruby Syntactic Structures
    • Ruby という言語にどう向き合い、どう作られているのかをより深く知ることができました。 前職で Ruby 3.0 で入ったキーワード引数の非互換で苦しんで愚痴をこぼしていた過去の自分を恥じました。 また、同僚でもある ydah さんの Ruby への関わり方を知ることができて、尊敬の念が増しました。
  • Analyzing Ruby Code in IRB
    • 昔は pry の方が使いやすかったのですが最近 IRB が使いやすくなってきた背景にある努力や知恵を知ることができました。 こうした細かい部分の体験も含めて改善されていることが Ruby の魅力でもあると改めて感じました。

(yahharo)

どこでも動かせる Ruby の幅の広さ

個人的にはほとんど知らない世界ではありましたが、 Ruby という言語の幅広さと可能性をより感じられるセッションでした。

  • dRuby on Browser Again!
    • ruby.wasm はあまり理解していなかった中で拝聴しましたが、ブラウザで Ruby が動かせることで、 Web アプリケーションでフロントもバックも全て Ruby という構成も組めるかもという夢が膨らみました。 セッション前後で youchan が多くの仲間の Rubyist と語らっている姿が印象的でした。
  • MicroRuby: True Microcontroller Ruby
    • 組み込み機器に対しても Ruby がここまで使えることに驚くと共に、遠く感じていた領域が hasumikin さんのおかげで一気に身近に感じられました。

(yahharo)

顔が見えるエコシステム

RubyKaigi に 2025 で初めて参加し、特に印象に残ったのが、毎年開催されている Ruby Committers and the World のセッションでした。 Ruby Committer 全員が壇上に集まり、 Matz さんを囲んだ議論を繰り広げる時間。 多くの参加者が毎年楽しみにしているイベントであると感じました。

壇上の人々は勿論名前を知っている方々ばかりであるし、それぞれ普段どんな開発をしているかは大まかながらも知っていました。
しかし、実際に生の議論を聞くことは新たな体験でした。

同じ Ruby 開発者であっても、大切にする価値観は多様。
例として言語のパフォーマンスを重視するか、Ruby の楽しさをさらに向上させるか。
多くのトピックが取り上げられ時間が足りないくらいであって、言語仕様というのはこのような熟議を経て完成していくのか、と認識を新たにしました。
議論を通じて、それぞれの雰囲気、振る舞いのニュアンスを知ることで、より開発者の顔が見えるようにも。
日々お世話になっているエコシステムの開発者の顔がイメージできるのはとてもありがたいことです。

そして何よりも良かったのが、それが笑いの絶えない祝祭的な場でもあったことでした。

(satkyy)

RubyKaigi 2025 の思い出

期間中のイベントやブース、廊下で話したこと、体験したこと、それらすべてを思い出としてふりかえりました !

Tatz が RubyKaigi に初参加して思ったこと

トークは難しめ

トーク内容は普段 Ruby (Rails) を触れているだけだと考えもしないこと (よしなに裏側でやってくれていること) を深堀って、どのような進化を遂げる可能性があるか、現状どうなっているかなどを言及しているセッションが多い印象でした。

英語のセッションを聞くことのハードルは普段から技術的な内容を英語で会話している人じゃないとついていくのは難しいと感じました。

また、日本語のセッションも前提知識がないと日本語なのにわからないとなることもあります。

それでも、好奇心が刺激され、もっと裏側を知りたいというモチベーションが湧いてきます。

技術的なところは難しかったが、個人的には ydah_さんのトーク で家族に感謝を伝えられ、「子どもや未来のために Ruby を良くしている」という言葉がグッときて一番印象的でした。

英語を話そう

普段英語に触れていないからこそこういったイベントで英語ベースの話を聞いたり、海外の人と会話する機会があるともっと英語ができたらなと思うものです (これまでに何回思ったことか ...) 。

日常会話、会社紹介、技術話題は英語のトピックとして別で考え、普段話さないものは全く語彙がないこともわかりました。 段階を経て使える英語の幅を広げたいと思える良いきっかけになりました。

Rubyist による Rubyist のためのコミュニティ

参加した全体の感想としてコミュニティのつながりが強いと感じました。

他のコミュニティと比較はできませんが、 Matz さんから「 Ruby コミッタと RubyKaigi 参加者の差は思っているよりも大きくなく、こっち側に来ることは Welcome !」という言葉からコミュニティを大切にしており、結束力や団結力が高く、今後も高めようとしていると感じました。

中山の思い出 お祭りと邂逅

お祭り

RubyKaigi には初参加でしたが、また来年も行きたい、 Ruby のことをもっと知りたいという気持ちにしてくれるカンファレンスでした。

TRICK 2025: Episode I や LT 、 Matz Keynote などのワイワイするトークや、考えてみるとどう実装されているんだ ? となる IRB や文字コードに関するものなど、いろいろな刺激を受けました。

またお弁当やキッチンカー、おやつで美味しい愛媛グルメ(鯛めし、みかんなど)も楽しむことができて、食欲もとても刺激されました!

多くの参加者をまた 1 年 Ruby を楽しく使っていこうとモチベートしてくれる Ruby にとって重要なイベントで、自分自身も受けた刺激を Ruby 力向上に充てて成長した姿で来年の RubyKaigi 2026 に参加したいです。

邂逅

地元のスポーツクラブで時々お会いする方と RubyKaigi 2025 で偶然お会いするということがありました。

お互いに職業を知らない中での RubyKaigi 2025 での遭遇だったので、こんなサプライズも起こしてくれるのか!RubyKaigi! と昂りました。 今度お会いしたら色々話が弾みそうです。

はんだの思い出 RubyKaigi 2025 での出会いと気付き

ブース運営を通して見えた新しい RubyKaigi

今回で RubyKaigi の現地参加は 3 回目だったのですが、回を重ねるごとにどんどん熱気が高まっていることを感じました。
とくに今年は、初めてブース運営サイドとして参加するという新しい立場だったこともあり、これまでとはまた違った視点でカンファレンスを楽しむことができました。

ブースでは、著名なエンジニアの方からキャリアをスタートしたばかりの方、さらには大学生で開発に取り組まれている方まで、本当に幅広い層の参加者の方々とお話しする機会がありました。改めて Ruby という技術を軸に、こんなにも多様な人々がつながり、価値を生み出しているのだと実感しました。

そんな刺激的な空間に身を置く中で、「自分ももっと頑張ろう」という気持ちが湧いてきましたし、同時に、この素晴らしい雰囲気をつくり出している一員として、これからも関わっていきたいと思いました。
ぜひ来年も参加したいです!

再会と出会いが溢れていました

今回の RubyKaigi 2025 では、前職や業務委託でお世話になった会社の方々、以前のイベントで食事をご一緒した登壇者の方など、本当にたくさんの方と再会することができました。
中でも、前職の社員・OB/OG がたくさん (全 17 名 ?) 参加していて、全員で記念写真を撮れたのはとてもエモーショナルな瞬間でした。

また、夜の Drinkup イベントでは、 LT や催しを楽しみつつ、同じテーブルになった方が自分と同じく未経験からエンジニアにキャリアチェンジした方で、話が盛り上がったりもしました。 じゃんけん大会で景品をゲットできたのも、嬉しいハイライトです。

また皆さんとお会いしたときにいろいろな話ができるように、これからも日々の業務や学びを大切に頑張っていきたいです。

yahharo の思い出 「エモい」体験を通して得られる、 Ruby エコシステムへの憧憬から踏み出せる勇気へ

Ruby 歴は長いものの RubyKaigi 初参戦であった自分に最初に湧き上がってきた感覚は「エモかったなぁ」というものでした。

  • 技術者として「ちょっと難しいけれど、日々使っているからこそ理解できる」そんなトークが多く、そこから得られる叡智のシャワーを浴びて得られる高揚感
  • 同じような志を持った仲間がこんなにも多くいるという事実、そして、その仲間たちと語り合える場があることから生まれる、帰属意識と共鳴
  • そして、自分たちがこれから開発していく中で関わっていくことになるであろう未来像が、さまざまな角度から提示されることで膨らんでいく期待

これらすべてが、脳と心を見事に揺さぶってくれました。

また、個人的には、これまで Ruby のエコシステムに深く関わることが少なかったため、コミッタをはじめとする登壇者の方々がどこか遠い存在のように感じられていました。 しかし、彼らが口々に家族や友人への感謝を述べる姿に触れ、自分と同じように "体温を持った人間" がこの世界を築いてきたのだということを、リアルに感じることができました。

Matz さんがお話しされていた「登壇者と参加者の距離は、それほど遠くない」という言葉。その意味を、今回の体験を通じて身をもって実感しています。

こうした体験のひとつひとつが、自分たちの日々の開発だけでなく、 Ruby 全体のエコシステムに対しても「自分にも何かできるかもしれない」という、ささやかながら確かな勇気を育くんでくれているように感じています。

satkyy の思い出 交流と再会の拠点としての魅力

3 日間、弊社ブースや他のブース、 Official Party 、 Drinkup を通じて多くの人と交流することができました。

参加者は皆、 Ruby 好きという共通点はありながらも、さまざまなバックグラウンドを持っています。
同じく Ruby を愛していてもその観点は異なり、 Ruby の魅力を再発見する契機にもなりました。

出会った人の中にはシェアハウスで今同居している友達の同僚がいたり、前職で一緒に仕事をしていた人たちの同僚も多くいました。
かつて共に働いていた人たちとも再会できたのも嬉しいところ。

中でも印象的だったのが、ロシアから来たエンジニアとの出会いです。
彼は RubyKaigi 2025 のためにはじめて日本に来たと言っていました。
彼の Ruby への純粋な熱意に心打たれましたし、政治的な是非は抜きに、技術や開発するプロダクトについて楽しく会話できる場としてのありがたさを感じました。

RubyKaigi 開催期間中は地域一帯、 Rubyist だらけになります。
そのため道を歩いていても、お店に入っても、数多くの Rubyist に出会います。
共通点があるため親近感が湧くし、お互いにとても話しかけやすい。
参加するたびに繋がりが増え、再会の楽しみが増えていく。

RubyKaigi とは新たな出会いと再会が交差する Meeting Point ──そんな場です。

まとめ

RubyKaigi 2025 で楽しんだことを綴りました ! 期間中に出会えた Rubyist とまたカンファレンスやイベントで再会したいですね。 また、アンドパッドの Rubyist 一同、また多くのトークをふりかえり、自分の Ruby の理解をさらに深めたいと思っています !

そして、 RubyKaigi 2026 函館にワクワクする毎日がスタートしました。 2026 ではもっと楽しめるように Ruby を使って開発していきます。

 

アンドパッドでは RubyKaigi 2026 を指折り数えて待ち始めた Rubyist を大歓迎しています !!

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