Product Engineer Night #2 に参加してきた

こんにちは、採用広報の id:sezemi です。 アンダーニンジャ最新刊 12 巻の 2/6 リリースに備え、復習に余念のない日々を過ごしています。 でも、今でも理解ができていないところがあり、ネタバレサイトを見に行こうか悩んでいます。

さて、先月 1/17 に Product Engineer Night #2 〜 Domain への Deep Dive!〜 が開催され、アンドパッドからはテックリードであり、創業メンバーでもある 金近 歩 (@KanechikaAyumu) が登壇しました。

product-engineer.connpass.com

この記事ではその模様をレポートします!

Product Engineer Night #2 の登壇アサインの経緯

きっかけは Product Engineer Night を主宰する @niwa_takeru さんからお声がけいただいたことでした。 今回のテーマである Domain への Deep Dive ! に込めた思いとして、 "「ドメインの理解」が上がるほどプロダクトの成功に繋がる" というお話に首がもげそうなぐらい同意だったこと、そして "「 Vertical SaaS 」はそれが最も求められる" という話に、これはアンドパッドしか勝たん! と即 OK とお返しし、登壇アサインを進めたのでした。

背景には、普段カンファレンスなどで外部のエンジニアとお話をしていると、「アンドパッドという社名は知っているが、何を作っているのかわからない」と伺うことが多いという課題がありました。 実際、前年出展した CloudNative Days Tokyo 2023 のブースアンケートでもアンドパッドの社名を知らなかった、社名は知っているがプロダクトは知らなかった、という方が 67 % いらっしゃいました(詳しくは こちらのブログ記事 をご覧ください)。

普段テックブログでは技術に寄せた記事が中心になりますが、ドメイン特有の課題解決に言及する記事は少ないのが現状です。 この Product Engineer Night #2 で発信することは貴重な機会でした。

なお、アンドパッドでは X のアカウント andpad_dev からこういった登壇依頼やイベント共催、媒体掲載などの相談を受付しています。 お気軽にお声がけください!

当日の模様と感想

では、当日どのような発表が行われたのか、少しだけ紹介いたします。

薬局組織の内部を探る BI ツールを通じたドメイン理解

トップバッターとして株式会社カケハシの 横田 直彦 (@HikoMSP) さんが登壇されました。 会社紹介パートで紹介された カケハシさんの製品マップ を見ると、薬局・薬剤師という現場近くのプロダクトから経営・受発注といった経営向けのプロダクトまであり、 Vertical SaaS らしさをとても感じます。

トークでは、ドメイン知識がなぜ必要なのか、その理由と、知っているとどんな行動になるのか、フェーズごとに解説されていました。 私が特に唸ってしまったのが、ドメインの理解手段として「現場に出てみる」が挙げられていて、「課題を解決してやろうというモチベーションが湧く」というところでした。

画面越しの数値ではなく、「目の前にお客様がいる」「その課題を解決する」というのが SaaS の醍醐味で、それは SaaS で共通するものだと思ってしまったのでした。

エンジニアはどのようにドメインにダイブできるか

続いて、登壇されたのはアセンド株式会社の 松本 萌花 (@moeka__c) さんです。 今回は初めての登壇ということだったのですが、とても落ち着いて発表されていて、そのレベルの高さに会場も驚いていました。 また初登壇を会社の仲間が見守る文化はとても素敵です。

アセンドさんも物流業界で 配車・点検整備といった現場から労務・ダッシュボードと経営向けまでを All-in-one でプロダクトを展開 されています。 特に物流業界は建築・建設業界と同様に 2024 年問題を抱え、スピーディに 3 ヶ月で新プロダクトをリリースされているのが印象的でした。

トークではデザイン思考のフレームワークとして知られるダブルダイヤモンドのプロセスをもとに、フェーズごとにどんなドメイン知識が求められ、どのように学ぶとよいか、解説いただきました。

その中でも、すべてのフェーズで「座学大事」というのを強調されていたのが、個人的にグッとなるポイントでした。 というのも、私が前職でエンジニア向け研修を企画していた際、同じように販売管理や人事給与など代表的な業務の知識を学ぶコースを座学で実施したことを思い出したのですが ... 、受講ニーズは多いものの、受講していると、とにかく眠くなってしまうことに困っていたことが思い出されたからです。 動画を流したり、問題を出してみたり、色々試したのですが、解決できなかったのでした。

ちなみに情報処理技術者試験の IT ストラテジストや IT アーキテクトなどの区分の午後試験では、先程挙げた販売管理や人事給与などの代表的な業務知識が必要とされる問題が出題されています。 そのような業務を対象としたプロダクト開発に携わる方には、公開されている過去問題が腕試しに使いやすく、おすすめです。

最初のファンを作り、最初のファンに価値を届けるまで

トークのラストにはアンドパッドから 金近 歩 (@KanechikaAyumu) が登壇しました。 自己紹介では創業メンバーらしく趣味が "アンドパッド" と披露し、つかみでワイワイさせてトークを進行させていました。

アンドパッドも Vertical SaaS らしく、建築・建設業界向けに新しいプロダクトをどんどん生み出しているのですが、その 0 → 1 フェーズでよく使われるアンドパッドの社内用語を中心に、その開発の進め方を紹介しました。

ゴールデンケース とは(アンドパッド社内用語)
ユーザーにとって、一定の頻度と手間がかかる must な業務をプロダクトに置き換えることで、高い費用対効果を感じられるプロダクトの利用ケース

アンドパッド社内では特に PMF やグロースフェーズにおいて「ゴールデンケース」は頻発する用語の一つです。 キャッチーな用語なので、ぜひ読者の皆さんもお使いくださいませ!

発表ではこのゴールデンケースの例を一つ挙げました。 建設現場では膨大な写真を撮影し、それを PC に取り込み、エクセルなどで作った台帳に貼り付け、印刷したものを整理して、キングファイルに保管する、という業務が高い頻度で発生します。 これが ANDPAD アプリを使うと、スマートフォンのアプリで撮影したものが自動でフォルダに入り、事務所に戻って PC からボタン一つで台帳を作成できる、という業務になることを紹介しました。 とても便利になってますよね(エヘンエヘン)。 実際、従来の報告書作成業務の 9 割を削減できた、という事例もあります。

andpad.jp

そしてゴールデンケースを実装するだけでなく、 Biz サイドが積極的にユーザーとコミュニケーションしてゴールデンケースに導くことも重要で、その両輪でファンユーザーを増やす = ファン化を進めるのが 0 → 1 フェーズでのアンドパッドの進め方です、と締めくくりました。

ちなみに、アンドパッドのエンジニアは、建築・建設業界のドメイン知識は無い状態で入社するケースがほとんどです。 入社後 5 日間のオンボーディングで建築・建設業界のドメイン知識を、経営陣・セールス・カスタマーサクセス・ CX など様々な部門・ポジションから解説してもらいます。 具体的なエピソードやワークをもとに、情熱的にレクチャーしてもらうので、飽きずに学習でき、広大な建築・建設業界の概要が見えるようになっています。

アンカンファレンスでもドメインにディープダイブ

トークの後は、アセンドさん特製のキーマカレーを振る舞っていただいたほか(めっちゃ美味い!)、アンカンファレンスとして "ドメイン" をテーマに各テーブルでディスカッションしました。 トークを聞くだけにとどまらないのが私には新鮮でした。、 なお、アンカンファレンスのテーマは以下のポストに挙げられているもので、ユニークなところはサイコロをふってでた目のテーマを選べたことです。 相談しなくても自動で決まるのは素晴らしい。

twitter.com

このアンカンファレンスをもってイベントは大盛況にクローズしました。 詳しくはイベントのハッシュタグ #PdENight にまとまっていますが、キーマカレーが美味しそうなので、お腹が空いた状態で見ないことをおすすめします。

まとめ

ドメインへのディープダイブをテーマとした Product Engineer Night #2 の模様をレポートしました。 会場アンケートの結果では 94 % の方がこのイベントを他の人に薦めたい、と回答いただくほど、満足されていたようです。 素晴らしい!

トークを聞いていて、個人的に "Product Engineer" とは、いざとなれば PdM も務められるほど、ドメインとテックを探求するエンジニアという印象です。 アンドパッドが求めているエンジニア像とも一致するので、これからもフォローしたいイベントでした!

今後 Product Engineer Night では大規模なイベントも企画しているということなので、期待が膨らみますね!

 

アンドパッドでは建築・建設業界にディープダイブし、「幸せを築く人を、幸せに」にするゴールデンケースを見つけ、プロダクトを開発したい Product Engineer を絶賛大募集しています!

engineer.andpad.co.jp