開発現場の貢献実感のためにできること

はじめに

この記事はANDPAD Advent Calendar 2023 25日目の記事です。

こんにちは、アンドパッド代表の稲田です。 今回は、アンドパッドが取り組む、2024年の業界課題と、PdM / エンジニア / デザイナー / QA / CRE など開発チームに感じてほしい、アンドパッドの提供価値と、貢献実感についてのお話です。

少しでも、社会課題解決に貢献できるワクワクをお伝えできたらな、と思います。

アンドパッドが取り組む建築・建設業界

建築・建設業界は、 50 兆円を超える巨大な市場でありながら、生産性が低い産業の一つと言われています*1

また、労働者の高齢化や、新規入職者の減少による人手不足が顕著で、 DX や SaaS での生産性の向上が急務と言われています。

日本の骨太な課題に深く長く取り組むのが、アンドパッドです。

建築・建設業界の2024年問題が迫る

そんな中で、建築・建設業界は、 2023・2024 年を契機に、 3 つの法律施行への対応の真っ只中にいます。

  • インボイス制度
  • 改正電子帳簿保存法
  • 建設業働き方改革

建築・建設業界に適用される3つの法律

今年は、インボイス制度の開始に伴い、弊社の「ANDPAD受発注」の利用が爆発的に増えました。

「ANDPAD受発注」は、 46 万人以上が利用する ANDPAD アプリ上で、発注・受注両サイドが相互利用でき、完全ペーパーレスかつ、建築・建設業の独特な受発注フローにきめ細やかに対応した EDI システムです。尚且つ、建設業法・電子帳簿保存法に対応したシステムで、専門のカスタマーサクセスがインボイス対応の推進からサポートをして、進めてきました。

建築・建設会社においては、会社の会計システム側の万全な対応も大切ですが、受発注業務は経理のみならず現場全てが巻き込まれるため、会計連携をする形で、建設業特化の「ANDPAD受発注」が重宝されています。

この流れは、2024年もしばらく続くでしょう。

 

そして今日現在は、2024年問題と言われる、働き方改革関連法に対応を検討している建設会社が多く、アンドパッドへのご相談が増えています。

法改正によって定められた残業規制は、建設業などの一部の業界に限り適用が猶予されていました。そのため、建設業には実質的に残業規制が設けられていません。しかし2024年からは、建設業も適用対象となるため、残業規制への対応が求められます。
(建設業の残業規制が2024年4月から施行!現状と課題、企業がとるべき対策は?) より引用

労働供給が不足する中での働き方改革ですから、建築・建設業界における DX 推進が、上記への解決の一手であることは自明です。

2024年は、建設 DX の重要な年になることでしょう。

アンドパッドの現在地

弊社に来るご相談は、 1 サービスへの関心ではなく、「アンドパッドが付き合っている、たくさんの建築・建設会社ではどうやっているの?」といった、業界全体の DX 化のロードマップについてのご相談が多く寄せられます。

弊社のカスタマーサクセスと共に、 ANDPAD を徹底活用し、ペーパーワークや移動時間を減らし、当然従業員の働き方をスムーズにすることに成功している企業は数多くいらっしゃいます。

例えば、働き方改革に関連した事例もあります。従業員の働き方にこだわる地場のメンテナンス系の会社様の事例です。

one.andpad.jp

この一例に限らず、カスタマーサクセスやセールスを含め、弊社の 300 人を超えるフロントメンバーが数年間にわたって毎日、建築・建設会社の DX の試行錯誤を並走しているわけですから、事例や構造整理も社内に溢れています。

また、アンドパッドは、施工管理のイメージが強いですが、実は既にプロダクトは 20 を超え、建設業のあらゆる業務をカバーする All In One ソリューションとなっています。また顧客の業種も様々(建設業法では 29 業種定義されています)で、業種ごとに使える特化機能もあります。

コミュニケーションアプリを基軸に、顧客管理、営業管理、工程管理、原価管理、稼働管理などの機能を、その会社の課題に合わせて、ご利用いただいています。

プロダクト開発者の貢献実感にこだわる

プロダクト開発に関わる開発チームに、確かな貢献実感を持っていただきたいと考え、アンドパッドには活用データに加えて、サクセスストーリーが溢れています。

例えば、上記の記事から分かるように、弊社の顧客理解は、「会社の成り立ちや、社長の職歴や仕事観・思い」からスタートします。社内でも、「お客様が喜んでいる」という事実に対して、「どのようなストーリーを持ったお客様が、なぜアンドパッドに期待をしたのか」という背景とセットでシェアされることが根付いています。コミュニティづくりを担うチームの小さな配慮ですが、開発チームが読んでも、グッと共感しやすく、業界特化ならではのディープな貢献実感を感じることができます。

 

数年前に出会った ANDPAD のユーザー様で、私が印象に残っている方がいます。

その方は、データ上、ANDPAD で最も工程表を作成し、更新履歴がある女性の方でした。

「なぜ、こんなにも細かく毎日 ANDPAD の工程表を運用をされているのですか?」と問うと、

私は現場監督の仕事が好きだったのですが、育休後の同じ職種での復帰は諦めるしかないと考えていました。しかし、 ANDPAD の工程表で、職人さんと繋がり、日々の進行を管理できるようになり、一人では難しいのですが、横断的にあらゆる現場の管理に関わる役割で、この仕事を続けられています。

というコメントをいただきました。

そのユーザーの方の所属企業の社長様としても、優秀な現場のリーダーが退社することなく、横断的なミドルオフィスとして、後輩の育成にも関与しながら、施工の推進を担ってくれることは、喜ばしい」と伺うことができました。

 

また、 Vertical SaaS は、First product がコアな業務に刺さっていれば、そこから業界特化の All In One ソリューションを期待され、クライアント経営からの事業貢献期待まで辿り着くことができます。

「使い勝手が良い。楽になった。」という声も嬉しいですが、そこからさらに、

ANDPAD があって事業がドライブした

ANDPAD があって若手社員がイキイキ働くきっかけになった

ANDPAD のおかげで仕事が増えた

など、その会社の成長につながる声をもらった時に、我々はより大きな喜びを感じます。

こういうストーリーを直接実感してもらうことが、開発現場には大切だと考えています。

これから

「いいものを作りたい」という思いは、建築現場でも開発現場でも同じです。

その理解が、建築・建設業界で働くヒトに、良いソフトウェアやサービスを提供し続ける支えになっています。

大きな課題と向き合う建築・建設業界において、テクノロジーを活用し、大きく貢献する余地は沢山あります。

建築就労者 500 万人を超えると言われる中で、業界で利用していただいている ANDPAD のユーザーが 46 万人 *2 を超えました。 この先、アンドパッドが全ての施工現場で活用され、インフラサービスとなることで、業界全体の DX の下支えができればと考えています。

こういった弊社のミッションである「幸せを築く人を、幸せに。」をリアルに感じたい方は、ぜひ弊社のエンジニア採用ページをご覧ください。

engineer.andpad.co.jp

*1:国土交通省発表 i-Constructionによる建設現場の生産性向上 より

*2:『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミック IT リポート 2023 年 10 月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ) による。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000018154.html