目標を変えたらモチベーションが上がり組織の課題解決にも繋がった話

こんにちは。CREの東峰(とうみね)です。

今回はANDPAD Advent Calendar 2023 18日目の記事として、私が担当しているCREの施工管理チーム*1の目標の変化とその理由について書こうと思います!

ANDPADのCREがどんなことをやっているのかは過去の記事に詳しく書いています。ぜひ読んでみてください。

アンドパッドのCREチームを紹介します! - ANDPAD Tech Blog

私は誰か

今回初めてブログを寄稿するので簡単に自己紹介させてください!

2021年にアンドパッドに入社し、主に施工管理関連のプロダクトのCREを担当して2年半ほど経ちます。 前職では不動産・リノベーション業界で営業を経験し、工事現場で働く方々と一緒にお仕事をしてきました。

建築・建設業界で働く人たちの力になりたいという思いで日々CREの業務に向き合っています!

今までの目標と変えた目標

今までの目標

前提として、CRE全体の成果目標は次の3つです。

  1. ユーザーの不安は少しでも早く解決する
  2. 不便な状態が続かないよう開発・プロダクトに働きかける
  3. ユーザーが問合せせずに済む(満足している)状態にする

CREはプロダクトごとに担当チームが分かれているため、これに沿ってチームごとに行動目標を設定しています。

私が担当する施工管理チームの今までの目標は「問い合わせを受けてから回答までのリードタイムを短縮すること」「バグ以外の問い合わせ率の減少」でした。

2022年、CREの目標設定についてmayuzoさんが記事を書いてくれたので興味がある方は読んでみてください。

爆速対応を実現したい!CREが課題克服のためにやってきたこと - ANDPAD Tech Blog

目標に向かって取り組んできましたが、少しずつ課題感を感じるようになりました。 施工管理チームで話し合った結果思い切って目標を見直そうとなり、新しい目標を掲げることにしました。

変えた目標

2023年7月以降、以下2つを目標に設定することにしました。

  1. リードタイムの短縮
  2. バグチケットのPMへの修正提案率向上

2つ目が新たに設定した目標です。修正提案率とは、バグチケット全体に対してCREが考えた修正方針案をPMへ提案したチケットの割合を指します。 目標値は、バグチケット全体の70%以上修正提案できていれば高評価、60%で中程度の評価としました。 実際に過去提案できていたチケット数を計測し、妥当と考えられる数値を設定しました。

具体的なPMへの修正提案は次のようにしています。

『このエラー文はユーザーにとってわかりにくくてお問合せが来てしまうので、〈A案〉や〈B案〉というエラー文に変えるのはどうでしょうか?CREとしては〇〇の理由でA案推しです!』

提案チケット。PMが判断しやすい形で提案するように心がけています。

そしてそれを計測できるようにチケット*2に「提案日」を入力する運用にしました。 「提案日」が入っていたら提案済み・未記載のものは提案しきれなかったものとして、全体のバグチケットのうち何件「提案日」が入っているかを計測するようにしました。

チケットの「提案日」入力欄

見えてきた課題と達成したかったこと

目標を変える前、感じていた課題感が大きく2つがありました。

CREの成果目標に対する課題

今までは、バグを認知した後どのように修正すべきかはまるっとPMへ検討を依頼することが多く、優先順位の兼ね合いもあり修正方針が決まっていないチケットが複数ありました。

そのため修正されるまでのリードタイムが長くなってしまうものがあり、CREの成果目標である「ユーザーの不安は少しでも早く解決する」や「ユーザーが問合せせずに済む(満足している)状態になるようにする」ことに向き合えていない状態だと感じていました。

一方で、問い合わせを受けたCREが調査をする中で「こうやって修正するとユーザーにとってはよさそうだな...」と考えることが多々ありました。 基本的にバグに対して修正方針を考えて決定するのはPMの責務ですが、ユーザーからの問い合わせに対してCREもあるべき仕様を考えてプロダクトに反映させることで、CREの成果目標達成に近づくことができるのではないかと考えるようになりました。

目標設定上の課題

毎月、施工管理チームで「先月どうだった?」という振り返りの場を必ず設けています。 その中で見えてきた課題がありました。

振り返りの様子。YWTで振り返りをしています。

「バグ以外の問い合わせ率の減少」を目標に掲げていましたが、目標に向けたアクションをしたとしても達成に繋がっているのかが明確ではなくモチベーションを維持しにくい、という課題です。

目標を達成できない月が続くことがあり、毎月の振り返りでどうすれば達成できるのか考えていました。 アクションとしては社内FAQの作成や調査ナレッジの蓄積などに取り組んでいましたが、 外部要因の影響もありそれらのアクションが目標達成に直結するのかや、どれくらいやれば達成できるのかが明確ではないと感じるようになりました。 そしてそれによってモチベーションを維持しにくくなっていることに気がついたのです。

目標達成に向けて取り組んできたことはもちろん意味のあるもので、ユーザーの困りごとを解決するために今後も必要な取り組みだと考えています。 しかし、アクションが明確でこれをやれば達成できるぞ!と言える目標の方がモチベーションに繋がるのでは...と考えたため目標設定を見直すことにしました。

目標を変えることで達成したかったこと

これらの課題を踏まえて、目標を変えることで達成したかったのは次の2つです。

  • CREがお問合せ対応から受け取ったユーザーの課題やニーズをプロダクトに反映する行動が、CREの成果目標の達成に直結すること

  • 何をどれくらいやれば達成できるかが明確になることで、モチベーションが上がること

目標を変えた後実際にどうだったか

達成したかったことは達成できていると感じています。

目標を変えて以降、メンバーみんなが頑張ってくれていて現在は毎月目標達成することができています。 「提案日」が入っていないチケットをSlackに通知することで提案が漏れているものがないかチェックできる体制にしており、目標達成に向けたアクションが明確になりました。

また、バグを認知した後施工管理チーム内で「どうすればユーザーの困りごとを解消できるかな?」という会話をすることが増えた実感があります。 1つのチケットに対してCREが割く時間は増えたかもしれませんが、修正方針が決まって修正作業に着手できる状態のチケットが増えることで、修正されるまでのリードタイムの短縮に繋がります。 実際にリリースに至った実績もあり、チームの成果目標達成に向かうことができていると思います。 チームメンバーからは「修正方針を考えて提案しそれが採用されることで、自社プロダクトの改善に貢献できているというやり甲斐や達成感を感じられ、モチベーションに繋がっている」という声も上がりました。

CREは開発部の中でユーザーからの問い合わせに一番最初に触れることが多いです。 最終的に仕様を決定するのはPMですが、ユーザーの困りごとの一番近くにいるCREだからこそ提案できることもあると思っているし、それがプロダクトやユーザーの価値につながると信じています。

最後に

目標を変えるのは個人的には勇気がいることだと思います。 今までやってきたこととは違う視点で仕事をしなくてはいけなくなるからです。 しかし、課題を感じたら向き合い、チームで話し合い、勇気を持って変えていくのは必要なことだし実際にやってよかったと思っています。

今回改めて自分達の目標に向き合うことができたのは、2022年からコツコツと自分達の仕事を計測し続け、そして毎月振り返ることができていたからです。 基本的なことかもしれませんが、目の前の業務に向き合う毎日をたまに振り返るのは大切ですね。

振り返りを行う中で出てきた課題はまだまだたくさんあります。そしてそれに対してチャレンジできる環境もあります! 少しでもCREの取り組みに興味を持っていただけましたら、ぜひカジュアル面談などにお越しください!

engineer.andpad.co.jp

*1:CREチームでは、主な担当プロダクトごとにいくつかのチーム分けをしています

*2:チケット管理はJiraを使用しています